はこだての図書館

函館市図書館のあゆみ

図書館絵葉書
函館市の図書館の歴史は、明治40年(1907年)に岡田健蔵宅に緑叢会附属図書室を開設したことに始まります。 その後、明治42年(1909年)には、函毎緑叢会(函館毎日新聞の投稿者の集まり)により、函館公園内の区有の協同館を借り受けて私立函館図書館が開館され、市民有志によって運営されていました。大正5年(1916年)、相馬哲平氏の寄付などにより書庫を建設、この書庫は北海道における初期の鉄筋コンクリート構造の建物として貴重なものです。
大正15年(1926年)、市立図書館の設立が決まり、小熊幸一郎氏の寄付金などで鉄筋コンクリート三階建の本館が竣工、その機会にあわせて、私立函館図書館の蔵書三万余冊をはじめ、建物を含むすべてが市に寄贈され、昭和3年7月17日、市立函館図書館が函館公園内に開館しています。その後、市街地の拡大等に対応するため、市内各所に地区図書室、配本所等を開設ました。そして施設の老朽化、狭隘化から函館公園の図書館を閉館し、平成17年11月27日に五稜郭町に新しく建設した函館市中央図書館を開館しました。中央図書館は、旧図書館の貴重な北方資料や啄木文庫などの資料を引き継ぎ、広い面積、新しい設備を活かした図書館サービスを展開しています。

岡田健蔵と函館図書館

岡田健三肖像画
岡田健蔵は明治16(1883)年8月、函館市入舟町(当時は函館区鰪澗(たなごま)町)の生まれです。健蔵が10歳の時父親が亡くなり、母親によって育てられました。明治30(1897)年弥生尋常高等小学校を退学し、弁天町にあった雑貨店サ印山崎商店の店員となりました。明治36(1903)年年季奉公を終え、「太陽石蠟発売元」を立ち上げて蠟燭の販売を始めました。健蔵は函館毎日新聞緑叢会に参加し、その幹事となって図書館の設立を提案、満場一致で承認されました。 健蔵は明治40(1907)年6月蠟燭工場の一角に図書室を設けました。これが岡田健蔵による函館図書館の誕生です。しかし、この年8月の函館大火で全て焼失してしまいました。
 健蔵はそれにもめげず、東北、東京にある図書館を視察し、函館の図書館設置に向けて動きました。その甲斐あって、明治42年(1909)年2月11日私立函館図書館が開館しました。図書館は木造で、閲覧室、書庫だけではなく食堂もあり、食パン、紅茶、サイダーなどを提供していたといいます。蔵書は明治42年7月の「図書館雑誌」には約6,000冊とあります。大火を経験した健蔵は、図書館は耐火建築でなければと考えていました。その意をくんだ相馬哲平が多額の寄付を行い、大正4(1915)年鉄筋コンクリート5階建ての書庫が建設されました。この書庫は昭和9(1934)年の大火にも耐え、貴重な資料を守り抜き、中央図書館が開館した現在も健在です。その後小熊幸一郎の多額の寄付もあり、鉄筋コンクリート造りの図書館本館が建設され、私立函館図書館はその全てを市に移管し、昭和3(1928)年7月17日市立函館図書館が開館しました。  私立函館図書館の開館以来執事、嘱託として実質的に図書館を支えてきた健蔵は、昭和5(1930)年正式に図書館長に就任しました。岡田健蔵が図書館に遺した大きな遺産は、函館を中心とした郷土、北方資料です。健蔵の慧眼は、早くからこれらの収集の重要性に気づいていたことです。今では入手できない資料も、健蔵が集めていた明治から戦前期なら、容易に手に入った物が多かったのです。また、郷土資料以外にも満州、朝鮮、台湾などの資料もあります。これらは、国立国会図書館にもないものも多く、国内では貴重な資料です。

函館市中央図書館の開館

昭和3年に建った函館図書館は、当時としては最新で十分な規模でしたが、時代が過ぎ、昭和40年代から広い開架を基本とした、図書館のサービスの変化に対応するには難しくなっていきました。更に図書館ではコンピュータが普及し、情報基地としての役割も担うようになり、モータリゼーションの発達で、駐車場の設置も求められるようになりました。  そのようなことから、市民の要望もあり新しい図書館が渇望されていました。函館市では、函館公園内にある函館図書館に次ぐサービス拠点であった、第一分館を移設新築し、平成15(2003)年4月千歳図書室として開館しました。更に、五稜郭公園に隣接した渡島支庁の跡地に中央図書館を建設し、平成17(2005)年11月開館しました。  中央図書館は床面積7,687㎡で150台の駐車場を持つ、近代的設備の図書館です。中央図書館は、千歳図書室、港図書室、湯川図書室、旭岡図書室、美原図書室、桔梗配本所のサービス拠点とともに、函館市民が文化生活を送る重要な施設となっています。そして、貴重な資料群は広く全国に知られ、多くの研究者が訪れます。それだけではなく、幕末、明治期を中心として描く本や雑誌の出版やテレビ放映には、函館の図書館資料は無くてはならないものになっています。

図書館正面 図書館全景

  • 函館市図書館略年表[PDF]
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