2025.08.15
【開催しました】令和7年度第3回郷土の歴史講座『二十世紀前半の「函館」でロシアパンを売っていた旧教徒たち』
8月9日(土)、日露交流史に詳しいロシア極東連邦総合大学函館校教授 倉田有佳氏を講師に迎え、郷土の歴史講座を開催しました。
1910~20年代に函館へ移住した旧教徒3家族に焦点をあて、農業や牧畜の傍ら自家製ロシアパンを売っていた背景を、地元新聞や郷土資料をもとにお話しくださいました。
商業学校の生徒に甘いパンが好まれ、樺太の駅では土産として親しまれるなど、時代と場所に応じて形を変えるパンや人間模様は当時の新聞に多く取り上げられています。
参加者の中には、家族や知人を通してロシアパンの思い出話を聞いたことがあるという方もいたようです。倉田氏は、歴史は記録だけでなく今も残る記憶もつないでいくものと述べ、終わりには、旧教徒と函館を結んだ露領漁業の重要性や、函館が樺太・ウラジオストク・カムチャツカとの結節点だったことを強調しました。
当日、館内の喫茶ボルヤンでは、今回のテーマに関連して、ロシア料理でおなじみの食材「ビーツ」を使ったポテトサラダが限定提供されました。
今後も、中央図書館では郷土の歴史講座を開催してまいります。ホームページ等でご案内しますので、ぜひお気軽にご参加ください。